税理士 駿河健太郎のblog


所長 税理士・行政書士 駿河健太郎
関東信越税理士会所属 埼玉県行政書士会所属

税理士法人SKYの哲学は”超現場主義”です。
どんなに情報技術が発展しようとも、お客様と顔を合わせて人間的なお付き合いをさせていただくことを基本としています。

また、税理士法人SKYのSKYとは
Support
Kindly
for Yourself
の略称です。常にお客様の目的に寄り添ってお役に立つことを目的とした会計事務所です。


住所 埼玉県さいたま市南区文蔵1-13-11三位ビル202
電話 048 866 0872 ファックス 050 3488 1942

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2012年10月26日金曜日

続けるということ

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続けるということ



今週は相談に来られるお客様が多い週でした。

小資本の競争原理としていつも言うのは、関与先の社長から教わった「継続年数が参入障壁に比例する」市場を作り上げるということです

お客様に説明しながら、「継続年数」と一口に言っても同じことをただ続けることではないのですよ「需要=お客様が欲していること」を日々改善を繰り返して掘り起こしてあげることが継続です。昨日と同じことを明日も思考停止して供給することでは参入障壁たる「継続年数」には成りえません、と言っている自分に気が付きました。

その言葉は自分自身にもあてはまります。

TKC創設者の飯塚名誉会長は講演の中で「巡回監査の徹底」を職業会計人の生き残りのための条件に挙げていますが、その言葉の深さを再確認しました。ただ刑事事件にも耐え得るほどの証憑票と会計帳簿の突号で事足れりとするのは真の巡回監査ではありませんと述べています。

別の講演では、お会いした方の「額の奥に抱えている問題」を瞬時に見抜く「洞察力の練磨」が経営者に必要な能力とであると述べています。

お客様の要望を日々聞きながら巡回監査の質とレポートの改善を続けることが「巡回監査の徹底」であると再確認しました。


2012年9月3日月曜日

統合と分解

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統合と分解

 前回の「目標をいつも意識しよう」では、茫洋とした知識を如何に身に付けて総合的に理解するという話でした。

 社会生活に限らず、内面的な活動においても「理解しただけで事足れり」ということはそんなに多くないのではないでしょうか?
 つまり実践しなければ意味がないことが多くなります。

さて、理解するまでは知見を統合するという作業ですが、その結果得られるものは結構レベルの高いものになっていることでしょう。
 そのような高度なものを「自分は明日からやるんだ!」と、いきなり実践することができるでしょうか?

 そこで、まずは小さな一歩あるいは半歩から歩みを始めることになります。

 ある程度のバッファーを持ちながら、目標に沿った一歩一歩に分解する作業が必要になります。

2012年8月21日火曜日

目的をいつも意識しよう

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目的をいつも意識しよう

 ここ数年は経営学や禅宗などの本を多く読んだりCDブックで聞いてきました。

 この種の本は「身に付いた」あるいは「深く理解した」というレベルにまで理解するには私のような凡人には一読では到底達しません。
(その中に潜在意識と表面意識を一致させれば一読で理解できると書いてあったりするのですが…)

 税理士という職業は、関与先の親身の相談相手として、こうして手に入れた知見を実際し即してわかり易く伝えたり、徐々に共通認識としていく努力が必要です。

 しかし、難しくて芒洋とした内容は一度深く理解したと思っても、日常生活を送っていく中で今までの習慣に引き戻され集中力が途切れて前の状態に戻ってしまいます。

 ここで理解を続けることに固執すると本末転倒になってしまう恐れがあります。

 固執してしまう状態に陥らないためには目的意識を高く保つことです。実はこれらの書物でも行間を読むと、行動が大事であり、望む行動を行うためには目的を見失わないことが大事であると書いてある気がします。

 旅に例えると、出発点、移動手段(の計画)、目的地の全てについて間違った認識をすると、真面目であればあるほど困った結末を導き出してしまうということです。

 常に胸に手を当てて自身の心を見つめることが大切なようです。

2012年8月17日金曜日

自己実現のために

自己実現のために

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自己実現のために

法人成り(個人事業を法人化することです)を、シミュレーションもせずに強いる会計事務所があるそうです。そのような相談を受けることもありますが、勧められた場合は"ほぼ"断った方が無難です。

国民健康保険が高い程度の理由では法人化はお薦めしません。特に雇用をしていない場合です。

経営の最低の目標は資金を残すことです。最高の目標は自己実現(社会貢献や後継者の育成)です。その間にも顧客満足の充足など色々な目標があります。マズローの欲求階層説と考えてもらって良いでしょう。

ただ幾らかの利益があるからという程度で今の世の中楽して普通の生活を送れるのでしょうか?
よしんば送れたとしても、この先続くのでしょうか?
肝心なのはエンドユーザの幸福ではないでしょうか?ただ生きるための(サバイバルな)生き方を私は賞賛しますし、その意気込みは絶対に必要なものです。

しかし、法人化とは別の問題です。 

エンドユーザの幸せを無視して法人化を迫る会計事務所が世の中にはあるということです。

少なくとも私の知っている会計事務所にそのような事務所はありません。皆さんお客様の自己実現のお手伝いを第一目標に!それを生き甲斐にしている方々ばかりです。

2012年8月15日水曜日

埼玉へ注目集まる

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埼玉へ注目集まる

本日8月15日の日本経済新聞によると、近畿から埼玉へ拠点を分散化する企業がでてきた。


その理由は道路、地盤、内陸という3つだそうだ。千葉や神奈川と比較したうえで埼玉を選んだ企業もある。


実は埼玉の実力は凄い。最近は高速道路の整備が進んで、物流拠点になりつつある。実際に自分で車を運転していても川越から東松山あたりまで、巨大な倉庫が出来ていたりする。大型車両がすぐに高速で運搬できるからであろう。


すぐに高速や入口ができるので、カーナビの依存度が下がってきた。今年の1月にちょっとカーショップに預けた数時間後に「偶々」ナビのDVDが破損して、2月に購入したのに私のナビはまだ首都高の料金を正しく計算できない。首都高はわかるが未だにアクアラインの料金も計算できない。きっと割引がいつ終わるかわからないから親切でそうなっているんだろう。


高速だけではない、県内総生産も東京・大阪・愛知・神奈川に次いで5位である。がんばろう埼玉!

2012年8月14日火曜日

写真を撮る余裕

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写真を撮る余裕


 
の写真は6月の終わりに群馬のお客様から帰ってくる時に撮ったものです。
この日は群馬県でしたが、基本的に隣県のお客様も多くいらっしゃいます。ですから行動範囲は北から新潟県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県となっています。たまたま車移動であることと、時間的余裕があったこと、駐車できたことが重なって写真を撮ることができました。これからは出掛けた先々で写真を取れるように余裕を持って行動するよう心掛けます。

さて、確定申告期の無料相談でよく
「主人が退職して今年から年金所得が増えたので申告書を書いてみたので、あっているかどうかみて欲しい。」
という相談を受けることがあります。その際にほぼ皆さんが退職所得は分離課税だからと退職所得の資料を持参されません。(不要ならなるべく誰にも知られたくない気持ちはわかります。)

しかし、退職所得も「合計所得金額」を構成するので、「医療費控除」「寡婦(夫)控除」,「配偶者特別控除」の適用があるかないかに影響しますから確定申告の時は資料の持参をお願いいたします。

2012年1月24日火曜日

震災による損失を平成22年分の必要経費に算入可能?

震災特例法で被災事業用資産の損失を平成22年分の事業所得の計算上必要経費に算入することができます。

これは平成22年分の所得が多い方の場合は、更正の請求により税金の還付を受けられるので助かると思います。
しかし、それなら平成23年分でも良いのでは?と思いましたが、被災された方の平成23年分の所得からは控除しきれないので、損失の繰り越し控除で数年かけて控除することになり早期に控除できるため、非常によく考えられた控除方法です。

さらに、これがよく考えられているのは、この特例により平成22年分の必要経費に算入した結果、平成22年分の純損失が生じた場合は平成21年分の所得税の繰越控除ができるという点です。

高所得者優遇のようにも思えますが、こうして還付を受けることにより復興の助けになる、良く考えられた方法だと思います。

2012年1月17日火曜日

消費税増税について

年末から焦点が定まってきた消費税の増税について、マスコミの視点だけでは足りない気がするので、少し自分なりにまとめてみます。
まず第一財政の視点からは、いずれ増税するのは仕方がないことだと思います。高齢化に伴う負担・消費構造・雇用者減による税源構造の変化がその主な理由です。他にも所得捕捉率の補完や租税回避行動の防止などの観点もありますが、これらは技術的な問題で本質ではありません。
第二に、日本経済の視点からは今は増税をするべきではないことはわざわざ理由を述べなくても多くの方が納得していただけるはずです。
第三に、まれにテレビを視ているといわれることが、『輸出戻し税』といわれている問題です。これは大きく本質を外しているので皆さんも騙されないようにして貰いたい問題です。消費税(日本のは正確には付加価値税)には「国境税調整」という原則があって、消費地で課税権を確保するために国境で調整するものです。たしかにトヨタなどの輸出企業では還付される事実があります。
ここまではよく報道されている問題です。
まず、みなさんもテレビだけ視ていると騙されがちなのが第三の問題です。日本の消費税等5%が0%課税になり結果として消費税が還付されるケースがでますが、そのかわりアメリカで5%以上の州税や欧州で20%近くの消費税を負担します。(あれ?国内企業は消費税の差額分生産コストが安くなるから有利になっちゃう。大手に消費税還付されても20%は払いたくないよね。)
そして報道姿勢で問題があるのは、その還付金は下請け企業が払ったものを大手企業が横取りしているような印象を与えることです。
本来ならば、その消費税等5%は下請け企業は受け取っています。ピンはねされたりしていません。
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でも下請け企業は消費税の支払いで四苦八苦です。何故でしょう?
問題の本質は、税法を超えたところで取引慣行にあるのではないでしょうか?
例えば正当な利潤が50%の加工品を生産していて、100+5で仕入れた材料を加工して200+10で売却すれば正当な利潤100と消費税等の差引5が手に入り、払うべき消費税等5は払えます。
しかし、実際は力関係で100+5で仕入れたものを加工して190+10(=200+0)で売却したらどうでしょう?税抜きでは利潤が90で支払うべき消費税等が5です。利潤が90の時に会社利益が+5だった場合には消費税等を払ったら何も無くなります。利潤が90の時に会社利益が0だったら払えますか?
この問題は取引慣行と生産性の問題になります。なぜ生産性の問題かというと、190+10で売った時に利潤が100あれば良いんです。利潤が50%を超えるので生産性が上がれば問題になりません。
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さて、いま政府は長期的な財政の問題を掲げて消費税の増税をして良いのでしょうか?
これまた良く報道されている財政支出の問題に手を付けずに増税するという問題よりも、タチの悪い取引慣行と生産性という問題を放置していて増税するという方が悪いと私は思います。
つまり、取引慣行の問題であれば下請けとの取引を適正化するように法整備をするか監査機構を作り強い権限を与えるべきです。適正化の観点として労働分配が正常にできるかどうかを重要視して欲しいと思っています。さらにこの場合労働分配率ではなく一人あたり報酬額を監視すべきではないかと考えています。
もし、生産性の問題であるならばその原因を取り除く努力をするべきです。為替問題に本気になるとか、高速道路を貨物に限り無料化するとか、インフラ整備については補助金でばらまくにしても、規制を緩和する代わりに品質保持のために監査機構をつくり違反した場合は罰金を取るなど支出を抑える方法にしてもどちらかに手を付けるとかやりようはいくらでもあるような気がします(すいません専門家ではないので思い付きです。)。
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この二つの問題に道筋を明らかにして取り組まないで消費税増税をすれば、単なる下請けいじめ、ひいては国内産業の衰退を招くと私は考えています。
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余談ですが、このように取引監視をするにしても生産向上政策をするにしても賃金総額が増えるようにして、法人税制で労務費に優遇税制をとれば企業も賃金を多く払うインセンティブが生まれ、所得増加で所得税増収、所得増加効果により消費税増収が見込めるのでは?という夢物語を考えています。
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今は増税問題が政局になり、その背景には個別の団体による影響力を感じます。このような影響力が全体にとってうまくいく場合もありますが、うまくいかない場合もあります。これは経済学ではレントシーキング問題といった気がします。
さらにこの問題が過去に日本でうまくいった例の説明を、2007年に政府税制調査会会長になられた香西泰さんが「ビックゲーム」というキーワードでされていたと記憶しています。
レントシーキングは良くないぞーという意見は、トヨタは消費税払うどころか受け取ってんだぞーという叫ぶ方々にも受け入れられると思うので、この記事の中断でムッときた方は調べてみるのも一考かと。