税理士 駿河健太郎のblog


所長 税理士・行政書士 駿河健太郎
関東信越税理士会所属 埼玉県行政書士会所属

税理士法人SKYの哲学は”超現場主義”です。
どんなに情報技術が発展しようとも、お客様と顔を合わせて人間的なお付き合いをさせていただくことを基本としています。

また、税理士法人SKYのSKYとは
Support
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for Yourself
の略称です。常にお客様の目的に寄り添ってお役に立つことを目的とした会計事務所です。


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2010年6月11日金曜日

雑多な補足

読書会7 の第2章では選択をするために多くの事業のアイデアを考えます。このときに読書会6 で職員が作ってくれたMIPシートが大いに役立ちました。
昼食中など、思い立った時にたった4項目を書くだけで終了です。

また最近話題の「考えない練習」(小池龍之介著 小学館)。仏教では「考える」ことは快楽であり、快楽は暴走しバーチャルな刺激に依存して現実を感じることが出来なくなる。目の前を見ろということらしい。

「二念を継がない」 雑念が湧いても追いかけない。目の前の事柄だけに集中する。

これらの考え方は、今回のような読書会には必要かもしれません。現実に捉われては重すぎて本質を考えることから逃避したくなります。思考停止へ自らを追い込んでは元も子もありません。

「正法眼蔵随聞記」では「法を聞時吾我を存ずるなかれ」とあります。
内容は、最近仏道を勉強しようとする者の中には、理解していることを主張しようとしてすぐに反応を見せるものがいる(我が強い)。教えを聞きながら吾我のことばかり考えているから、聞くことも疎かになり理解できない。

読書会7

予定ですと今日は第3章71ページまでです。

ここまでの第1章と第2章をまとめてみます。

第1章はドラッカーの理解ですが、戦略を立てるときに重視すべき方向性を確認しています。
(他の部分は、文脈を単純にするため今は省略します。)
 
第2章から実際に考える作業が始まります。

つまり、第1章を理解しなければ、同床異夢に終わってしまいます。

第2章では、
(1)現在の事業で成果をあげる余地があること
(2)未来の事業で成果をあげる余地があること
の2点を考えます。

ここでは「現在」と「未来」という用語が、「成果」向かってフォーカスされていることに気付く必要があります。

「成果」について「現在」を考えると、まだまだ現在の事業で「伸びしろは十分にある」(p39)ことがわかります。
「未来」では、チャンスが無限にあることがわかります。

これらから導き出されるチャンスの全てに対応できるわけではなく、また最適に実現するために「選択と集中」を行います。そこで最後にSWOT分析を通じて選択します。

以上です。
この本ではSWOT分析(PP.58-59)が秀逸です。この次に読む予定のコトラーのマーケティングでは、正しくSWOT分析を行うならTOWSの順番で行うべきと書かれています。
P58では、まずO=Tと考えることから始まります。その中から確実にTと呼べるものを認識し、次にOを認識します。(TO)
P59では同様にS=Wと考えて(WS)の順番になります。
まさにTOWSの順番で分析を行うことになります。

2010年6月3日木曜日

読書会6

お客様の関心が高いようで、もう2章に進まれています。もう古い号ですが週刊ポスト6月4日号にもドラッカー特集がありますね。その著作が多すぎて混乱を招きやすいドラッカーですが、短い紹介記事では益々混乱してしまいそうです。

さて当事務所では、下の予定通り進めると、本日は25ページまで進めばよいのですが、キリの良いところで29ページまでを職員と研究しました。職員は今まで参加していなかったので最初からになりましたが、約1時間で終了しました。

人に説明すると本当に勉強になります。今までと違い 29ページまで一気にまとめてみます。

まず、ドラッカーの知識が無い職員に「マネジメント」(日経BP社)の前書きを解説します。
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ドラッカーは組織をどう捉えているか。現代社会にいる我々は高度に組織化された社会で供給されるサービス(医療・福祉など)を必要とし、もはやそれなしでは生活できない社会に生きている。

それゆえ組織は私達と切っても切れない関係にある。その組織が自主性をもって成果をあげられなければ、個人の自由も独立も得られず、自己実現もできなくなってしまう。
「組織を柱とした多元的な社会で自由と尊厳を保つためには、組織に自主性と責任を与え、高い成果をあげさせるのが唯一の方法である。」そのためにマネジメントが必要である。
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以前の記事にも書いたこの前書きは、私が組織の一員であり、組織を利用して自己実現や社会貢献ができるのであり、組織に成果をあげさせることでしか生きられないと教えてくれました。
さて、本書の内容ですがPDCAサイクルを軸としています。このサイクルの視点は顧客の創造であり、常に顧客視線を中心にPDCAを行います。またDoできないPlanなど成果をあげられるはずがないので、これらは密接な関係にあります。

これらの密接な関係をPDCAに反映させるために、企業の3要素という概念を使用します。
その3要素は
1.マーケティング(Pに関わります)
2.イノベーション(DAに関わります)
3.生産性(ACに関わる?)
です。これを私はそれぞれの頭文字をとってMIPと呼びます。twitterでつぶやくために略語にしました。また、本書には書いてありませんが、ドラッカーはイノベーションは日々の小さな改善でも積み重ねればイノベーションになると述べているようです。

29ページまでは、戦略を組み立てるまでの心構えの部分です。戦略ひいては組織に正しい方向性を持たせるために必要な考え方が書いてあります。それを戦略前提の3要素とよんでいます。
戦略前提の3要素は
1.外部環境の認識(本文では経営環境)
2.事業目的の明確化
3.強みの認識・創出
です。これらの略語は面倒くさいのでABCにしました。

MIPとABCは実現可能性を通して密接に関わります。
例えば、Aの正しい認識は、Mの修正や組織内での共有化へ常に関わり、ときにIの新しい視点を与えてくれます。BはPDACのうちのD実行を深く狭く徹底して行う方向を与えてくれるものですが、それはそのままCの認識につながります。そのCはPの方向性に影響します。BもCもIの必要性や新たなIの開発に大きく関わります。

ここで当事務所では、次のような提案が出ました。
M  認識の修正・共有化について書き出す
I  Mから導き出されたイノベーションまたはアイデアを書き出す。
P1 IがMに合致するかどうか検討する。
P2 Iが実現可能か検討する。

以上で事務所内での勉強会は終了しました。(その後職員が、この4サイクルをいつでも書き出せる携帯用のA7サイズのメモ帳を作ってくれました。きっと、入力してデータベース化してやるから、さっさと考えて来いということだと思います。)

ここまでで、戦略のアイデアを生み出すツールが出来ました。この後は、これらのうち何を採用すべきか戦略の決定の方向性に進みます。