消費税が導入されたのは、私の入社と同時でした。右も左もわからない私に、先輩たちもお客様も3%かけるだけだよと楽観視していたものです。
しかし、消費税法は所得税法・法人税法の規定を流用するくせに、毛色が違って曲者です。
最たるものは届出期間です。まったく考え方が異なります。さらに課税期間を短縮できるので、違った思考が必要になったりします。
税額計算では課税売上割合の計算が基本だとか色々話題はあるのですが、今回は届け出の怖さについて。
消費税の納税義務が出たり、なくなったり、廃業したときは届け出が必要になります。
また、小規模な事業者が簡易課税を使いたい、使うのをやめたいというときにも届け出が必要になります。
実はこの2つは別の次元で動いていますので、簡易課税を使うよと宣言したら、事業の廃止届をしても簡易課税を使うよという宣言は生き続けます。
簡単に言えば、簡易課税宣言をした人は廃業するときに同時に簡易課税やめた宣言をしときなさいということです。
さて税法を読むときに苦難であり、楽しかったりするのが条文のパッチワークを読み解くことです。
消費税法57条には、廃業するときは届け出してくださいとあります。
ただし、37条第4項の届け出した人は出さなくてもいいよと書いてあります。
この37条第4項は簡易課税やめる宣言するか、廃業するときに簡易課税やめる宣言してねと書いてあります。
つまり、簡易課税やめる宣言のときに同時に廃業も届け出すれば、57条では届け出いらないよと書いてあるわけです。